ヒカクン-サービスの比較-

EC事業において物流業務は欠かせない作業です。そんな非常に重要な物流業務を委託できるのが、発送代行サービスです。この記事では、発送代行の概要からメリット・デメリット、おすすめの発送代行業者をご紹介します。

発送代行とは？

発送代行サービスとは、ECサイトや通販などの事業主が行う商品の発送業務を、専門の業者に委託するサービスです。発送業務には、商品の入荷、検品、在庫管理、ピッキング、梱包、出荷、配送などが含まれます。これらの業務を自社で対応するとなると、専門的な知識や技術、人員が必要になります。発送代行サービスを利用すると、それらのリソースを用意することなく、発送業務に対応できるようになります。

発送代行のメリットとは？

発送代行には具体的にどのようなメリットがあるのか、ひとつずつ確認していきましょう。

業務の効率化

発送業務は、入荷から検品、商品保管、出荷検品、流通加工、梱包、発送など、多くの作業が必要になります。これらの作業を発送代行会社に任せることで、時間や労力を削減できます。結果、ECを成長させるための施策にリソースを割けるようになります。

物流業務の品質向上

発送代行サービスでは物流の専門家が代行してくれるため、誤配送や商品の破損などのミスを減らすことができます。また、セールの時期などにも迅速に対応してもらえるなど、物流業務の品質向上が見込め、その結果、顧客からの信頼も高くなります。

在庫管理の簡素化

発送代行サービスでは、商品の入荷から保管、管理までを一括して代行してくれます。そのため、自社で在庫を抱える必要がなくなり、倉庫や物流拠点の確保、管理コストを削減できます。以上のように、発送代行サービスはEC事業者に多くのメリットをもたらします。しかし、発送代行サービスにはデメリットもあります。それについては次章で解説します。

発送代行のデメリットとは？

発送代行のデメリットには、主に次の3つがあります。

物流ノウハウが蓄積されない

発送代行は専門家に発送業務を丸投げするサービスのため、物流に関する知識や経験の蓄積が難しくなります。結果、物流業務については発送代行業者に依存することになります。今後もずっと物流業務をアウトソーシングするのなら問題ないかもしれませんが、もし、自社で物流業務に対応したいと考えているのなら大きなデメリットとなります。

柔軟な対応が難しい

発送代行を利用すると、自社で物流をコントロールすることが難しくなります。そのため、柔軟な対応がしにくいという点があります。これは、発送代行会社は複数のクライアントから依頼を受けているため、自社の商品を優先的に対応してもらえるとは限らないからです。たとえば、顧客からの特別な要望や急ぎの注文に対応することができなかったり、商品の返品や交換の手続きが煩雑になったりする可能性があります。

個人情報流出の危険性がある

ドキッとするデメリットですが、発送代行サービスでは顧客の個人情報を発送代行会社に預けることになります。顧客情報に携わる人が増えるため、どうしても個人情報が漏えいするリスクが高まります。発送代行会社は法律や契約に基づいて個人情報を適切に管理しますが、万が一、不正アクセスや内部犯行などによって個人情報が流出した場合、顧客からの信頼を失ってしまいます。それだけでなく、損害賠償や訴訟などの法的責任を問われる可能性もあります。発送代行業者を選ぶ際には、個人情報の管理体制やセキュリティ対策などが十分になされているか確認することが大切です。

発送代行会社の比較のコツ

実際に発送代行サービスを利用する際は、次の比較のコツを参考に業者選びを進めるとよいです。

対応可能な業務を確認する

通常、発送代行サービスは入荷検品、保管、受発注管理、ピッキング、出荷検品、梱包、配送、在庫管理などを行ないますが、対応可能な業務内容は業者によって異なります。したがって、委託したい業務を洗い出したうえで、それに対応してくれる業者を選定していくとよいです。

対応可能な商品を確認する

発送代行会社によって対応可能な商品が異なります。また、商品によっては特別な保管方法が必要で、それに対応していない業者もいます。自社の商品の発送代行が可能かどうか確認するようにしましょう。

料金を確認する

一般的に発送代行サービスの料金は、商品を保管する量やサイズなどによって変わります。自社の商品の大きさや注文数を把握し、そのうえで各社から見積もりを取り、比較しましょう。

発送代行業者側システムとの連携のしやすさ

現代の物流業務においては、受発注管理や在庫管理に際してシステムの活用が不可欠です。発送代行会社と自社とで導入しているシステムが異なることも多く、うまく連携できないケースもあります。そのため、発送代行会社が導入しているシステムと、自社が導入しているシステムとの連携が可能かどうか、可能だとしたらスムーズに連携できるかどうかも比較しましょう。

主な発送代行サービス会社5社

ここからは、主な発送代行業者を5社ご紹介します。

CIN GROUP

CIN GROUPは、アパレル・雑貨・化粧品・食品（加工品・サプリメントなど）にいたるまで、様々な商品の保管、出荷が可能なネットショップの物流代行サービスを提供しています。事業規模に応じて少量出荷から大量出荷まで柔軟に対応してくれて、緊急の場合には当日発送も可能な体制が強みです。繁忙期や閑散期に関わらず、安定したサービスにより高い満足度を獲得しています。

→cin groupの発送代行サービス『asnaro』

itsumo

itsumoの発送代行では、化粧品から食品まで多様な商品の発送に対応しています。また、料金システムは3つのサイズで分類され、それぞれ課金は入荷量・保管量・発送量によって変動します。固定費はかからないので、低コストで発送代行を利用することができます。

共栄物流サービス

1988年のスタート以来、2000社を超えるお客様と取引をしてきたEC物流・通販物流のプロです。特に評価されている部分は「おもてなしの心」。これがベースにある丁寧な顧客対応や専門的な教育を受けたスタッフによる丁寧な梱包、「ミスしない」「納期の厳守」といった基本を継続する姿勢に特長があります。また、倉庫の床面積は10,200㎡（3,100坪）と広く、多量出荷にも対応。依頼主のビジネスモデルやニーズに合わせて体制を変え続ける柔軟性もポイントです。

スクロール360

物流代行 (発送代行) のプロとして、60年以上の通販事業の経験とノウハウを活かして、依頼主のさまざまな発送希望に応えてきた会社です。単品から数千アイテム・数万オーダーまで、化粧品・サプリなどの健康補助食品から食品・菓子（冷蔵・冷凍・常温の三温度管理）まで、幅広いカテゴリで対応実績を持ちます。また、自社WMS（倉庫管理システム：L-Spark）による一元管理とゲートアソートシステム（GAS）による仕分け作業で、誤出荷やミスを防止する徹底した品質管理を実現。信頼と実績がある物流代行パートナーと言えます。

アートトレーディング

入荷や出荷、出荷完了通知、ラッピングや梱包、在庫管理まで全て丁寧に対応。依頼主は"売り続ける"ために必要な、商品開発や自社のコアな部分に専念できます。また、アートトレーシングが提供しているEC事業者向け物流システム（WMS）mylogiを利用して物流管理を行なってくれるので、ミスのない物流サービスを提供できます。ほかにも、バーコードによる検品も実施し、過剰在庫や欠品を未然に防止。さらには、顧客から寄せられたクレームや問い合わせ、改善要望などを月次ミーティングで共有してくれるなど、運用部分にも強みがある会社です。

まとめ

発送代行によって自社の物流業務を専門家に委託することで、EC事業の成長に必要な施策にリソースを割けます。物流業務に課題がある方はぜひ発送代行サービスの利用を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。